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Law Practise 民事訴訟法 基本問題40:共同訴訟人独立の原則

Law Practise 民事訴訟法

1. Xが併合提起しているY1、Y2およびY3に対する訴訟は、それぞれ建物退去土地明渡請求、賃料相当額の金銭支払請求そして建物収去土地明渡請求であり、「共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合」(40条)にあたらず、必要的共同訴訟とならない。しかし、Y1、Y2およびY3に対する請求は、「同一の事実上及び法律上の原因」(38条)に基づくものであるから、通常共同訴訟にあたる。

  したがって、共同訴訟人独立の原則(39条)が適用され、共同訴訟人の1人の訴訟行為等は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。

2. では、Y1・Y3が、Y3が本件土地の賃借権を有することの抗弁を提出することで占有の適法性を主張しているところ、かかる主張は占有権原について何らの主張をしないY2に対する請求に影響を及ぼすか(設問前段)。

(1) X・Y2間の訴訟において裁判所が請求棄却判決を下すためには、Y2の共同訴訟人X1・X3のなしたY2に有利な主張である抗弁がX・Y2間の請求についての訴訟資料となること(主張共通の原則)が必要である。

   しかし、ある主張をするかしないかは当事者の自由に任せられているのであって(弁論主義)、前述の共同訴訟人独立の原則(39条)から、共同訴訟人間に主張共通の原則は認められないと解する。

(2) もっとも、共同訴訟人間に補助参加の利益(42条)が認められるときには、特に補助参加の申出がなされなくとも当然に補助参加がなされたものとして取り扱い、共同訴訟人の1人の訴訟行為の効力が他の共同訴訟人に及ぶ(45条1項本文)とする見解がある(当然の補助参加理論)。

しかし、いかなる場合に補助参加関係を認めるのか明確な基準を欠き、徒らに訴訟を混乱せしめるおそれがあり、支持しえない。また、このように解しても、裁判所が釈明権(149条1項・2項)を行使して、他の共同訴訟人に主張するか否かを明らかにさせることができるから、不都合は生じない。

(3) よって、Y2がY1•Y3の主張事実を援用しないかぎり、Y1・Y3による弁済の抗弁の主張はX・Y2間の訴訟における判決の基礎とされず、X・Y2の訴訟に影響を及ぼさず、裁判所は、X・Y2間の訴訟についてはXの請求認容判決を下すべきである。

3. また、Xが、Y1・Y3が主張した事実について明確に争わなかった場合、裁判上の自白が成立するが(179条)、この場合も、Y2がXの自白を援用しないかぎり、Xの自白は、X・Y2の訴訟に影響を及ぼさず、裁判所は、X・Y2間の訴訟についてはXの請求認容判決を下すことになる。

 

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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