2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

行政書士試験について(その3)

今回は、行政書士試験向けのテキストについて書きます。 ある程度、行政法を勉強したことがある人とない人では、読むべき本も変わってきます。 ここでは、行政法初心者ないし苦手意識がある人を前提にして書きます。 まず、基本書は、桜井敬子・橋本博之著「…

Law Practise 民事訴訟法 基本問題7:筆界確定訴訟

第1.設問前段 1. XのYに対する訴訟において、裁判所は認容判決をなしうるか。本件は、筆界確定訴訟であり、Xに当事者適格が認められるかが問題となる。 2. 当事者適格とは、訴訟物たる権利または法律関係について当事者として訴訟を追行し本案判決を求め…

Law Practise 商法 No.7:相続による株式の準共有

第1.設問(1) 1.株主総会決議取消訴訟の可否 (1) Xとしては、招集手続きに瑕疵があるとして、株主総会決議取消訴訟(831条1項1号)を提起することが考えられる。 (2) 本件では、株式の共同相続(民法898条)により株式が準共有(同264条)の状態にあ…

民法の答案構成について

民法のLaw Practiceについては受験中、答案構成しか作らなかったので、その掲載をしています。 基本的には、〈請求→反論[→再反論]→論点等の検討(基準→あてはめ)→結論〉という構成で書いてます。 まず、基本的に要件事実を答案風にアレンジして全体を構成…

Law Practise 民法ⅠNo.17:表見代理-109条

1.A→Dの請求 (1)Stg:所有権に基づく妨害排除請求権としての抵当権設定登記抹消登記請求権 (2)Kg:①Aの所有権 ②Dの抵当権設定登記の存在 2.Dの反論:他人による抵当権設定行為 (1)Aの再反論:Aの代理人による抵当権設定行為(有権代理) =Kg:①代理…

Law Practise 商法 No.6:払込みの仮装

第1.設問(1) 1.Y1による払込みの効力 (1) 預合とは、発起人が払込取扱銀行から金銭を借り入れ、これを設立中の会社の預金に振り替えて株式の払込みにあてるが、その借入金を返済するまではその預金を引き出さないことを約することであり、Y1の払込みは…

そう言えば書いてなかった!

なんで、Law Practiceの答案(構成)を掲載してるのか、説明してませんでした! その理由は、司法試験の傾向として、基本的知識の確認と応用にあると考えるからです(その意味では、予備試験もロースクール入試も変わりません)。 特に民法と商法は基本的知…

Law Practise 民事訴訟法 基本問題6:代表権と表見代理

1. Y社は、Xに対し、第一審判決の取消し(却下判決)を求め控訴を提起している(306条参照)。 2. これに対し、Yはその理由として、訴状にY代表取締役として記載されているAは代表取締役でないことを挙げている。そこで、その当否が問題となる。 (1) 民…

Law Practise 民法ⅠNo.16:代理権の濫用

1.X→Yの請求 (1)Stg:所有権に基づく妨害排除請求権としての抵当権設定登記抹消登記請求権 (2)Kg:①Xの所有権 ②Yの抵当権設定登記の存在 2.Yの反論:Xの代理人による抵当権設定行為(有権代理) =Kg:①代理行為(YA間の抵当権設定)②顕名 ③代理権の授…

Law Practise 民事訴訟法 基本問題5:当事者能力

1. XのY社に対する訴えは認容されるか。 2. これに対し、Y社からはXは権利能力なき社団であり、当事者能力がないことが反論として主張されることになる。 (1) 当事者能力は訴訟要件であり、当事者能力の欠缺場合、訴えは不適法となり、裁判所は却下判決…

行政書士試験について(その2)

今日は、記述式問題の対策について書きます。 記述式問題は、1問目が行政法、2問目・3問目が民法で構成されています。 まず、行政法は、昨年(平成27年度)は原処分主義、平成26年度は指定管理団体、平成25年は訴えの利益、平成24年度は形式的当事者訴訟、平…

Law Practise 商法 No.5:定款に記載のない財産引受けの効力

第1.設問(1) 1. 本件購入契約は、「会社の成立後に財産を譲り受けることを約したもの」(財産引受)であり、定款に記載しなければ効力を生じない(28条2号) したがって、Xは甲会社の定款にその旨の記載がない限り、Y会社に請求することができないのが原…

Law Practise 民法ⅠNo.15:利益相反行為・自己契約・双方代理

1.X→Yの請求 (1)Stg:所有権に基づく妨害排除請求権としての抵当権設定登記抹消登記請求権 (2)Kg:①Xの所有権 ②Yの抵当権設定登記の存在 2.Yの反論:有権代理(Kg:①代理行為 ②顕名 ③代理権) 3.Xの再反論(1):無権代理 ∵「利益相反行為」(826) …

行政書士試験について

今日は、今後の方向性を示すべく頑張ってもうひとつだけ書いておきます。前回書いた行政書士試験についてです。 実は、昨日、ロー受験中の大学生に行政書士試験について質問されました。 その内容は、①行政法は何を読んだらいいか、②記述問題の対策、③一般教…

Law Practise 民事訴訟法 基本問題4:当事者の確定

【実質的表示説】 1. Yは、Xに対し、請求異議の訴えを提起し、XA間の訴訟の判決はA死亡後になされたものであり無効判決であると主張することになる。 2. では、上記Yの主張は認められるか。XA間の判決の効力の有無が問題となる。 (1) まず、当事者の実在…

Law Practise 商法 No.4:現物出資

第1.株主代表訴訟 1. Xは、Y1-Y5に対し株主代表訴訟(847条1項)により「発起人、設立時取締役…の責任を追及する訴え」として以下の責任を追求する。 2.価額填補責任 (1) 現物出資は、変態設立事項として、資本充実の原則から厳格な規制に服し、定款の…

Law Practise 民法ⅠNo.12:動機の錯誤

第1.詐欺を理由とする取消の場合 1.X→Yの請求 (1)Stg:不当利得に基づく利得金返還請求権 (2)Kg:①Xの損失 ②Yの利得 ③①②間の因果関係 ④法律上の原因がないこと (3)④=詐欺による取消 (Kg:❶詐欺の故意 ❷詐欺行為 ❸❷による錯誤 ❹❸による意思表示 ❺取…

ぶろぐはじめます。

数日前、今年の司法試験短答式の結果が発表されましたが、そこで合格点に到達しなかった友人から相談を受けました。さらに、昨日、法科大学院適性試験で思うような点数がとれなかった学部生からも今後のことで相談を受けました。 この時期は、司法試験、予備…