Law Practise 民法Ⅰ No.41:共有物の分割

1.E→A・C・D:共有物分割請求(256Ⅰ)

2.共有物の分割には持分権の存在が必要 ➡論点:共有の性質

(1)共有の種類

①合有(ex.組合):潜在的な持分 ⇒分割請求権の制限(676Ⅱ)

②総有(ex.権利能力なき社団):持分なし

③共有(狭義):持分権あり ⇒各共有者は、いつでも共有物の分割を請求可(256本文)

(2)A〜E:団体を形成していない ⇒共有(狭義)

(3)Eは分割請求可

3.論点:分割方法

(1)原則:現実分割

(2)競売(258Ⅱ):①現物を分割できないとき or ②分割により価格を著しく減少させるおそれ

(3)競売以外の一部分割

ア.①持分の価格以上の現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせ、過不足の調整をすることも現物分割の一態様として許される。②分割の対象となる共有物が多数の不動産である場合には、右不動産を一括して分割の対象とし、分割後のそれぞれの部分を各共有者の単独所有とすることも許される。③共有者が多数である場合、その中のただ一人でも分割請求をするときは、直ちにその全部の共有関係が解消されるものと解すべきではなく、当該請求者に対してのみ持分の限度で現物を分割し、その余は他の者の共有として残すことも許される(最大判昭62・4・22民集41-3-408)。

イ.Eの主張(一部分割・離脱型)・Dの主張(一部分割・排除型)可

(4)Cの主張 ➡全面的価格賠償の可否

ア.共有物の性質等の事情を総合的に考慮し、またその価格が適正に評価され、取得者に支払能力があるなどの特段の事情が存するときは、共有物を共有者の一人または数人の所有とし、他の者には持分の価格を賠償させる方法、すなわち全面的価格賠償の方法による分割も許される(最判平8・10・31民集50-9-2563)。

イ.特段の事由の存在➡Cの主張可

 

Law Practice 民法I 総則・物権編〔第2版〕

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