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Law Practise 民法Ⅰ No.49:抵当権の効力の及ぶ範囲

1.X→Y:抵当権に基づく返還請求

2.Yの反論:シャンデリアは独立の動産 →抵当権の効力及ばない

(1)シャンデリアの性質

ア.「不動産に従として付合した物」(付合物・242)?

➡「従として付合した物」=分離・復旧が社会経済上不利益

➡シャンデリア=取り外し容易 ⇒付合物にあたらない

イ.「従物」(87Ⅰ)?

➡要件:①独立の物 ②主物の「常用に供するため」③主物に「附属」④同一の所有者

➡従物に該当

(2)「付加して一体となっている物」(付加一体物・370)

ア.判例:87Ⅱ説(大連判大8・3・15民録25-473)or 370説(最判昭44・3・28民集23-3-699)

イ.370の趣旨=抵当権が目的物の使用収益を設定者のもとに留め、目的物の交換価値を支配する担保物権

付加一体物:価値的、経済的に抵当不動産と一体をなし、抵当不動産の効用を全うさせる働きをなすもの

➡従物は主物に従属してその経済的効用を高めている →目的不動産と価値的、経済的に一体

➡従物は付加一体物 →抵当権の効力は及ぶ

ウ.シャンデリアに抵当権の効力及ぶ

3.Yの反論:抵当権は価値支配権 →返還請求不可

(1)抵当権 =抵当目的物を支配する物権の一種

   ➡抵当権者は、抵当権の効力として物権的請求権を行使可

(2)要件:目的物の価値の減少必要

…抵当権実行前の段階:目的物の価格が債権額を下回るか否かはほとんど予測がつきにくいため、目的物の価値の減少の可能性があれば足りる

(3)目的物の価値減少の可能性あり ⇒物権的請求権行使可

4.Yの反論:即時取得(Kg:①前主との取引行為 ②引渡し

(1)Y善意・無過失:返還請求不可

(2)Y悪意・有過失

a.対抗力喪失説(通説):所在場所に存続する限り対抗力は失われない ∵公示の衣装

b.対抗力存続説:譲受人が即時取得するまで対抗力は存続 ∵可能な限り対抗力を存続

cf.工場抵当法2条の規定により抵当権の目的とされた動産が、備え付けられた工場から抵当権者の同意を得ないで搬出された場合には、第三者において即時取得をしない限りは、抵当権者は、この動産をもとの備付場所である工場に戻すことを請求できる。(最判昭57・3・12民集36-3-349)

5.結論

 

Law Practice 民法I 総則・物権編〔第2版〕

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