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Law Practise 民法Ⅰ No.38:即時取得(193条・194条)

第1.盗品の回復請求

1.Aの請求

(1)A→D:所有権に基づく返還請求権としての動産引渡請求

(2)Kg:①Xの所有 ②Yの占有

2.Dの反論

(1)即時取得(192)…Kg:①前主との取引行為(CD間の売買)②①に基づく引渡し

(2)再反論:本件機械が盗品であること(193条)

…Kg:①当該動産が盗品であること ②盗難から2年以内に回復請求していること

(3)代価弁償との引換給付請求(194)

…Kg:①盗品又は遺失物を競売若しくは公の市場において買い受けたこと

    ②代金額

    ③②が支払われるまでは引き渡しを拒むとの権利主張

       cf.「善意」は要件事実にならない(相手方が悪意の立証責任を負担 )

  ➡返還後のDの代価請求の可否:盗品の占有者が民法194条に基づき盗品の引渡しを拒むことができる場合において、被害者が代価を弁償して盗品を回復することを選択してその引渡しを受けたときには、占有者は、盗品の返還後、同条に基づき被害者に対して代価の弁償を請求することができる(最判平12・6・27民集54-5-1737)

∵自発的に返還した占有者は代価償還請求権を行使できず、良心的な占有者より悪質な占有者が保護されることになる

3.結論:引換給付判決 or  返還後のDの代価請求可

第2.使用利益の返還請求

1.Aの請求 …Stg:不当利得返還請求権としての果実返還請求権(190)

  ∵善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす

(189Ⅱ)

2.Dの反論:使用収益権あり

 ➡盗品又は遺失物の占有者は、民法194条に基づき右盗品等の引渡しを拒むことができる場合には、代価の弁償の提供があるまで右盗品等の使用収益権を有する(最判平12・6・27民集54-5-1737)

民法194条は、盗品等を競売若しくは公の市場において又はその物と同種の物を販売する商人から買い受けた占有者が同法192条所定の要件を備えるときは、被害者等は占有者が支払った代価を弁償しなければその物を回復することができないとすることによって、占有者と被害者等との保護の均衡を図った規定であるところ、被害者等の回復請求に対し占有者が民法194条に基づき盗品等の引渡しを拒む場合には、被害者等は、代価を弁償して盗品等を回復するか、盗品等の回復をあきらめるかを選択することができるのに対し、占有者は、被害者等が盗品等の回復をあきらめた場合には盗品等の所有者として占有取得後の使用利益を享受し得ると解されるのに、被害者等が代価の弁償を選択した場合には代価弁償以前の使用利益を喪失するというのでは、占有者の地位が不安定になること甚だしく、両者の保護の均衡を図った同条の趣旨に反する結果となるからである。また、弁償される代価には利息は含まれないと解されるところ、それとの均衡上占有者の使用収益を認めることが両者の公平に適うというべき

3.返還請求不可

 

Law Practice 民法I 総則・物権編〔第2版〕

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