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Law Practise 民事訴訟法 基本問題48:上訴の利益 (構成のみ)

Law Practise 民事訴訟法

1.X→Y:所有権移転登記抹消登記請求訴訟(Kg:売渡担保・債務弁済→E:売買)

➡Y勝訴(売渡担保・債務未弁済)➡問題:Yの控訴の可否…上訴の利益の有無

2.上訴の利益の有無の判断基準

(1)判断基準

ア.実体的不服説:当事者が控訴審において第1審判決よりも実体法上更に有利な判決を得る可能性があれば上訴の利益が認められる

➡上訴の利益が認められる範囲が広くなりすぎ実質的に上訴の利益を不要とするに等しい

イ.形式的不服説:原審における当事者の申立とその申立に対して与えられた原裁判とを比較して、後者が前者におよばない場合に上訴の利益が認められる

(2)Yの主張=判決主文 →判決主文に不服なし(➡判決理由に不服)

(3)上訴の利益なし

3.Y控訴不可

➡Xが債務弁済を求めて提訴の可能性 →Yは債務の不存在主張可(∵債務の存否に既判力及ばず)

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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Law Practise 民法Ⅱ No.19:債権侵害  

Law Practise 民法Ⅱ

1.占有訴権

(1)Stg:占有権に基づく占有権回収請求権としての不動産引渡請求権(200条)

(2)Kg

①Xの占有

②Yの占有

(3)Yの抗弁:Yの侵奪から1年経過(201条3項)

2.賃借権に基づく妨害排除請求

(1)Stg:賃借権に基づく妨害排除請求権

  ➡債権は相対権であり、債務者の行為を通じて実現されるものであるが、債権も権利である以上、不可侵性が権利の通有性として認められる。もっとも、債権は、物権と異なり、その内容が公示されない。そこで、債権が公示方法を備えることで物権化した場合には、債権に基づく妨害排除請求をすることができる

cf.第三者に対抗できる借地権を有する者は、その土地に建物を建ててこれを使用する者に対し、その収去・土地の明渡しを請求できる(最判昭28・12・18民集7-12-1515)。

(2)Kg

①AX間の賃貸借契約締結

②①に基づく引渡し

対抗要件の具備(借地借家10条1項・31条1項、罹災都市借地借家臨時処理法10条)

④Yの占有

(3)Yの抗弁:対抗要件の消滅(乙建物の焼失)

3.債権者代位権の転用

(1)転用の可否・要件

ア.債権者代位権は債務者の責任財産保全することを目的とするものであるから、被保全債権は金銭債権であることが原則である。しかし、特定債権であっても代位行使を認めることが債権者にとって便宜であり、また、これを認めても第三者は、債務者に対抗できる事由を代位債権者に対しても対抗できるので、第三者に不当な不利益を与えるものではない

イ.特定債権の保全と債務者の無資力は関係がないので、通常の代位行使の場合と異なり、債務者の無資力は不要である

(2)Stg:所有権に基づく返還請求権としての建物収去土地明渡請求権

(3)Kg

①AX間の賃貸借契約の成立(被保全債権)

②Aの甲土地所有

③Yの甲土地占有

 

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Law Practise 民事訴訟法 基本問題46:訴訟承継の範囲

Law Practise 民事訴訟法

1. XのYに対する賃貸借契約解除に基づく建物収去土地明渡請求訴訟係属中に被告Yが死亡しているところ、訴訟手続続行しうるか。当然承継の有無の有無が問題となる。

(1) ここで、当然承継とは、当事者の死亡・法人の合併など一定の承継原因が生じれば、当事者の地位が承継され、これにより訴訟が当然に承継される場合である。

(2) 当然承継の可否については、現行法は、訴訟承継主義(訴訟係属中の承継人を当事者として訴訟に加入させて既存の当事者の訴訟上の地位を引き継がせる建前)を採用し、承継人は前主の訴訟追行に基づいて形成された訴訟状態を全面的に引き継ぐのが原則であることから、認められる。

また、当然承継の原因は明文の規定がないが、訴訟手続の中断・受継の規定(124条)から推知される。

本件においては、被告Yの死亡は「当事者の死亡」(124条1項1号車)に当たり、承継原因が認められることから、相続人が承継する。

(3) では、訴訟の続行をなしうるか。

ア.まず、Yに訴訟代理人がいない場合には、訴訟手続の中断し(124条1項) 、承継人あるいは相手方による受継申立て(126条)または裁判所による続行命令(129条)により手続が続行する。

イ.次に、Yに訴訟代理人がいる場合、訴訟手続の円滑な進行の観点より、訴訟の当然承継があっても訴訟代理権は消滅せず(58条参照)、訴訟手続は中断しない(124条2項)。

したがって、承継人を当事者として訴訟続行し、①裁判所は承継の事実を知りしだい、当事者の表示を改めるか、②判決後でも判決の更正(257条)により当事者の表示を訂正することになる。

2. さらに、本件においては、XのYに対する賃貸借契約解除に基づく建物収去土地明渡請求訴訟係属中係争建物をZに賃貸しているところ、訴訟手続続行をなしうるか。参加引受承継(49条〜51条)の可否が問題となる。

(1) まず、Xは引受承継の申立て(50条1項)をなしうるか。

ア.ここで、Zは「訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継」(50条1項)したといえるか。承継人の範囲が問題となる。

訴訟承継は、訴訟係属中の紛争主体の変動を訴訟手続上に反映させ、当該訴訟手続内で紛争の実質的解決をはかることをその趣旨とすることから、義務の承継は、実体法上の義務が承継される場合に限られず、義務自体については承継がなくても、義務の発生基盤について承継関係があり、その承継関係のゆえに、承継人のその義務に関する紛争もこれまでの訴訟の結果を利用して迅速に解決を図るのが適当であると評価される場合には、承継人は訴訟を引き受けさせるべきであるから、「訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継」とは紛争主体たる地位の承継を意味すると解される。

イ.本件において、Zが賃貸借によりYから占有を承継 したことで、XY間の紛争がXZ間の紛争へと移行したものとみるべきであり、紛争の主体たる地位がZに移転したと考えられる。

ウ.よって、Z は、承継人にあたり、Xは引受承継の申立て(50条1項)をなしうる。

(2) 次に、Zは参加承継の申立て(義務承継人の訴訟参加・51条)をなしうるか。

ア.ここで、50条1項と51条前段の承継人の範囲は同義と考えられ、Zが承継人に当たることは前述のとおりである。

イ.そして、「申立て」には、独立当事者参加規定が準用され、訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる(51条前段、47条1項)。

ウ.よって、Zは参加承継の申立て(51条)をなしうる。

3. 以上から、XYの訴訟はZに承継されるとともに、  Yの相続人にも承継され、①Zに対しては建物退去請求訴訟、②Yの相続人に対しては建物収去土地明渡請求訴訟が並存することになる。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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Law Practise 民法Ⅱ No.18:賃貸目的物の所有権の譲渡

第1.設問1

1.XのYに対する建物収去土地明渡請求

(1)Stg:所有権に基づく建物収去土地明渡請求権

(2)Kg

①A元所有

②AXの売買契約

③Yの甲土地占有

2.Yの抗弁

(1)占有権原の抗弁

Kg:①AYの賃貸借契約

②①に基づく引渡し

③Yの対抗要件具備(借地借家法10条)

(2)対抗要件の抗弁:Xの対抗要件具備まで賃貸人と認めないとの権利主張

  ➡本件宅地の賃借人としてその賃借地上に登記ある建物を所有する者は本件宅地の所有権の得喪につき利害関係を有する第三者であるから、賃貸中の宅地を譲り受けた者は、その所有権の移転につき登記を経由しない限り、賃貸人たる地位の取得を賃借人に対抗することができない(最判昭49・3・19民集28-2-325)。

第2.設問2

1.XのYに対する賃料支払請求

(1)Stg:賃貸借契約に基づく賃料支払請求権

(2)Kg

①AYの賃貸借契約

②①に基づく引渡し

③Yの対抗要件具備

④A元所有

⑤AXの売買契約

⑥賃料支払期限到来

2.Yの抗弁

(1)賃貸人の地位の移転に合意していない:契約上の地位の移転であり、三者間の合意が必要

 ア.譲渡人・譲受人間での移転:賃貸借関係が賃貸目的物の所有権と結合する一種の状態債務関係として所有権とともに移転する(我妻)

cf.自己の所有建物を他に賃貸している者が賃貸借継続中に右建物を第三者に譲渡してその所有権を移転した場合には、特段の事情のないかぎり、借家法1条の規定により、賃貸人の地位もこれに伴つて右第三者に移転するものと解すべき(最判昭39・8・28民集18-7-1354)

イ.賃借人の合意の要否(譲受人・賃借人間での有効性):賃貸借契約における賃貸人の地位の譲渡は、賃貸人の義務の移転を伴なうものではあるけれども、賃貸人の義務は賃貸人が何ぴとであるかによつて履行方法が特に異なるわけのものではなく、また、土地所有権の移転があつたときに新所有者にその義務の承継を認めることがむしろ賃借人にとつて有利であるというのを妨げないから、一般の債務の引受の場合と異なり、特段の事情のある場合を除き、新所有者が旧所有者の賃貸人としての権利義務を承継するには、賃借人の承諾を必要とせず、旧所有者と新所有者間の契約をもつてこれをなすことができると解するのが相当である。(最判昭46・4・23民集25-3-388)

(2)対抗要件の抗弁:Xの対抗要件具備まで賃貸人と認めないとの権利主張

  ➡①本件宅地の賃借人としてその賃借地上に登記ある建物を所有する者は本件宅地の所有権の得喪につき利害関係を有する第三者であるから、賃貸中の宅地を譲り受けた者は、その所有権の移転につき登記を経由しない限り、賃貸人たる地位の取得を賃借人に対抗することができない(最判昭49・3・19民集28-2-325)。

   ②二重払いの危険の回避

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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Law Practise 民事訴訟法 基本問題44:参加的効力

Law Practise 民事訴訟法

1. 補助参加に係る訴訟の判決は、補助参加人に対してもその効力を有するとされるところ(46条柱書)、Xが補助参加したAY間の確定判決(Y敗訴)の効力は、XのYに対する賃貸借契約に基づく賃料支払請求訴訟・賃料相当額の損害賠償請求訴訟に及ぶか。「効力」の意義が問題となる。

2. ここで、46条の趣旨は参加人と被参加人が共同して訴訟を追行した以上、敗訴責任を分担すべきであるという禁反言の原則に求められることから、「効力」とは、既判力とは異なる特殊の効力(参加的効力)、すなわち判決の確定後補助参加人が被参加人に対して判決の不当を主張することを禁ずる効カであると解すべきである。

このような法的性質にかんがみれば、参加的効力は、①被参加人が敗訴した場合に生じる効力であり、②参加人・被参加人間にのみ生じ、③判決主文中の判断のみならず、主文を導きだすのに必要な判決理由中の判断にも及ぶものであると解する。

3. 本件において、①前訴でYは敗訴しており、②参加的効力は参加入X、被参加人Y間に生じる 。そして、③所有権の存在は、前訴との関係では判決理由中の判断であるが、これはXY間の賃貸借契約の先決的法律関係であるので、主文を導きだすのに必要な判断であるといえ、これに参加的効力が及ぶ。

4. したがって、Yが参加的効力の存在を主張・立証すれば、裁判所は参加的効力が及ぶものと判断すべきであり、前訴口頭弁論終結後にXが所有権を取得したというような新たな事情がなければ、Xは自己に所有権が属することを主張できないから、この場合、裁判所は請求を棄却すべきである。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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Law Practise 民法Ⅱ No.17:転貸借

Law Practise 民法Ⅱ

1.A→C:原賃貸借終了による賃借物返還請求

(1)Stg民法613条1項に基づく建物明渡請求権

(2)Kg

①賃貸借契約の締結

②賃借人への引渡し

③ 転貸借契約の締結

④転借人への引渡し

⑤転貸借の承諾

⑥原賃貸借の終了事由

2.Cの反論:占有権原(∵原賃貸借と転貸借は別個の契約 →適法な転借人)

賃貸人が賃借人(転貸人)に賃貸借契約の終了を理由に賃貸物件の返還を請求すれば、賃借人(転貸人)はこれに応じなければならない結果、転貸人の使用収益させる義務の履行不能を原因として転貸借は終了する

 

 cf.最判平9・2・25民集51-2-398:賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合において、賃貸人が転借人に対して直接目的物の返還を請求したときは、転借人は賃貸人に対し、目的物の返還義務を負うとともに、遅くとも右返還請求を受けた時点から返還義務を履行するまでの間の目的物の使用収益について、不法行為による損害賠償義務又は不当利得返還義務を免れないこととなる。他方、賃貸人が転借人に直接目的物の返還を請求するに至った以上、転貸人が賃貸人との間で再び賃貸借契約を締結するなどして、転借人が賃貸人に転借権を対抗し得る状態を回復することは、もはや期待し得ないものというほかはなく、転貸人の転借人に対する債務は、社会通念及び取引観念に照らして履行不能というべきである。したがって、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了すると解するのが相当である。

 

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Law Practise 民事訴訟法 基本問題43:補助参加の利益

Law Practise 民事訴訟法

第1.B・Cの参加の可否

1. XのYに対する不法行為に基づく損害賠償請求訴訟(以下、本件訴訟)にB・Cが被告側に参加(補助参加・42条)しうるか。

2. B・Cの参加の申し出が認められるためには、B・Cが「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」(42条)であること、すなわち(補助参加の利益)が必要である。

(1) 42条が補助参加の利益を要求した趣旨は、補助参加制度が被参加人の勝訴を通じて補助参加人の利益を擁護し、紛争の合理的解決を図るという機能を有するところ、無制限に参加を認めれば、訴訟手続がいたずらに複雑化することから、両利益の調整を図ったものと考えられる。そうだとすれば、補助参加によって擁護すべき独自の利益を有しない者やその利益が将来の訴訟に結びつく可能性がない者については、訴訟の複雑化を招いて まで補助参加を認める必要はない。

そこで、「利害関係」があるというためには、法律上の利害関係を有すること、すなわち、専ら訴訟の結果につき法律上の利害関係を有する場合に限られ、当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼす場合であることが必要であり(最決平13・2・22判時1745-144)、感情的理由や単なる事実上の利害関係を有するにとどまる場合には補助参加は許されないと解する。

また 、「訴訟の結果」とは、参加の可否を明確に判断するべき必要から、訴訟物についての判断と参加人の地位との間に論理上の先決関係があることが必要であると解する(訴訟物限定説・通説)。

(2) 本件において、参加申出人B・Cはそれぞれ、機体の製造者およびその設計者であり、被参加人である航空会社Yが敗訴した場合、参加申出人には求償・損害賠償請求のおそれが認められる。

(3) したがって、B・Cには補助参加の利益が肯定される(もっとも、本件訴訟において、Yのパイロットの操縦ミスの有無が争点になっている場合には、補助参加の利益は認められない)。

3. よって、B・Cは、XY間の訴訟に補助参加しうる。

第2.Eの参加の可否

1. XのYに対する不法行為に基づく損害賠償請求訴訟(以下、本件訴訟)にEが原告側に参加(補助参加・42条)しうるか。

以下、上述の基準で判断する。

2. Eは、Aと同じ事故で亡くなったDの遺族であるが、EのYに対する請求はXY間の訴訟の訴訟物と論理上の先決関係にない。

3. したがって、Eに補助参加の利益の利益は認められず、EはXY間の訴訟に補助参加しえない。

 

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