Law Practise 民法Ⅰ No.31:解除と登記

1.X→Y

(1)Stg:所有権に基づく妨害排除請求権としての抵当権設定登記抹消登記請求権

(2)Kg:①X所有 ②Y抵当権設定登記の存在

2.Yの反論:X→Bの売買(所有権喪失の抗弁)

(1)X:契約解除の再抗弁

(2)直接効果説:解除によって契約に基づく法律関係が遡及的に消滅

∵解除制度の本質は解除権者を法的拘束から解放せしめ,契約締結前の状態に復帰せしめるという点にある

(3)解除 →所有権復帰

3.Yの反論:「第三者の権利を害することはできない」(545Ⅰただし書)

(1)「第三者」=解除された契約から生じた法律効果を基礎として解除までに新たな権利を取得した者

∵545Ⅰただし書の規定は解除の遡及効を制限したもの→解除前の第三者にのみ妥当する

(2)第三者あたらない(→Yは無権利者から抵当権の設定を受けた者→抵当権の対抗不可?)

4.Yの反論:「第三者」(177)+ 登記の具備

(1)解除の効果の遡及効はあくまでも1つの擬制 →事実上は復帰的物権変動を観念しうる

➡Bを起点として二重譲渡があった場合と同視可 ⇒177適用(登記を先に備えた方が優先)

(2)YはXより先に抵当権設定登記取得

(3)Yは「第三者」(177)にあたる(Yが背信的悪意者の場合は別)

5.Xの請求不可

 

Law Practice 民法I 総則・物権編〔第2版〕

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