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Law Practise 民事訴訟法 発展問題17:固有必要的共同訴訟(2)

1. 合一確定の必要があり、かつ、共同訴訟とすることが法律上強制される訴訟を固有必要的共同訴訟(40条1項)という。

本件において、X1〜X25(以下、Xら)は、Yに対し入会権確認の訴え(以下、本件訴訟)を提起しようとしているところ、Xら同じく入会集団の構成員であるZ1~Z30(以下、Zら)らは訴訟提起に同調しようとしていない。本件訴訟が固有必要的共同訴訟(40条1項)であれば、共同訴訟人がそろわなければ当事者適格を欠き、訴えが却下されることになる。  

2. そこで、本件訴訟の「目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合」(40条1項)であり、固有必要的共同訴訟にあたるかが問題となる。

(1) 固有必要的共同訴訟の判別基準については、実体法的観点、すなわち管理処分権の実体法的性格から考えると、財産の管理処分権が数人に帰属している場合には、その数人を共同訴訟人としなければ、紛争の実効的解決はありえない。したがって、実体法上の管理処分権の帰属を重視し実体法上単独で処分可能な場合は、訴訟上も個別提起による通常共同訴訟であるが、実体法上全員でのみ処分可能な場合は、訴:訟上必要的共同訴訟となると解する。

もっとも、固有必要的共同訴訟とされた場合、共同訴訟人となる者が1人でも欠けると、その訴訟は不適法となり、また、原告の請求を争わない者も手続的理由により被告としなければならないのは、手続上不経済である。そこで、一定の場合には、持分権、保存行為(民法252 ただし書)、不可分債権(428条)の理論等を駆使して、固有必要的共同訴訟の範囲を縮小し、個別提起を許容すべきと解する。

(2) 本件訴訟において、入会権者全員の有する1個の入会権そのものが紛争の対象であり、入会権は総有関係 にあると解され、入会権は、実体法上、全員でのみ管理処分が可能な権利である。また、原告側共有のときには共有者が誰であるか明らかであるから、全員を原告としても不都合は少なく、手続き上の不経済も存しない。

(3) 本件訴訟の目的は「共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合」(40条1項)であり、固有必要的共同訴訟にあたる。

3. このように解するならば、本件訴訟の提起は不適法となるようにもみえる。しかし、共有者間に非同調者がいる場合に全員が必ず原告にならなければいけないとすると、一部の者が反対する限り、他の者の訴権が実質的に否定されてしまうことになる。また、原告になることを拒んだ者の利害は、被告側の利害と共通するといえ、利害の分布状況が一致することから、Xは、非同調者であるZらを被告として訴え提起することも可能と解すべきである。

4. 以上から、Xらは、YおよびZらを被告として本件訴えを提起しうる。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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