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Law Practise 民法Ⅱ No.9:履行不能と損害賠償の範囲

Law Practise 民法Ⅱ

1.AのBに対する請求

(1)Stg履行不能に基づく損害賠償請求権(填補賠償)

(2)Kg

契約の締結

履行不能

➡社会通念に従って判断:Cに現実の引渡し(対抗要件具備・178条、182条1項)

損害の発生

「特別の事情」(4162)が債務者に予見可能であったこと

➡中間最高価格(1200万円)or 口頭弁論終結時(現在時)の時価(950万円)

2.Bの反論:価格の騰貴は履行不能後 →通常損害(416条1項)の範囲にとどまる。

  ➡契約当時の時価(600万円)or 処分時の時価(900万円)の限度

3.損害額の算定

(1)基準

ⅰ.原則:履行不能時の時価(通常損害・416条1項)

ⅱ.履行不能後の価格の騰貴

不能後の価格が高騰することを債務者が予見しながら履行不能となった場合騰貴した現在の価格(騰貴するまでの前に処分したであろうと予想される場合を除く)

価格高騰時転売しえたのが確実であったような場合中間最高価格

(3)  本件において、Aのこうむった損害額は原則として処分時である2007年2月5日現在の900万円とすべきである。しかし、2006年秋以降本件ギターの価格は高騰し、このことは当事者にも予見可能であった。もっとも、Aはギターの収集家であり、Aが本件ギターを入手したとしても価格高騰時に転売したことが確実であるともいえない。

ところで、Aの都合で本件売買契約の履行期が変更されていることが結論に影響を及ぼすかについても検討すると、本件売買契約の履行期は2006年9月1日から、2007年2月1日に変更されたものであるが、Bが本件ギターをCに処分したのは2007年2月5日であり、いずれせよ履行期後である。また、変更についてABは合意をしているから、Aが一方的に変更させたという事情も見受けられず、この点は結論に影響を与えるものではない。

4. よって、Bは、口頭弁論終結時の時価である950万円について、損害賠償義務を負う。

 

Law Practice 民法II 債権編〔第2版〕

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