Law Practise 民法Ⅰ No.56:不動産譲渡担保①

1.A→Cの請求

(1)Stg:所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記抹消登記請求

(2)Kg:①A所有 ②C所有権移転登記

2.Cの反論:①被担保債権の発生原因 ②AB間の譲渡担保設定契約 ③B→Cの所有権移転(登記具備)

3.Aの再反論:弁済期における被担保債権の弁済 ⇒問題:Cの所有権の有無

(1)譲渡担保の性質

ア.所有権的構成(形式を重視)

➡譲渡担保権を所有権の移転とし、担保目的を超えて行使しないという債権的拘束を受ける

イ.担保的構成(実質を重視)

➡譲渡担保権者は価値権のみを把握していると考えるのが当事者の合理的意思

(2)帰結

ア.所有権的構成 ➡二重譲渡の譲受人と同視

➡不動産譲渡担保において被担保債務が弁済され、譲渡担保権が消滅したときにも、その旨の登記がなければ、その不動産を取得した第三者に対抗できない(最判昭62・11・12判時1261-71)

イ.担保的構成(cf.最判平18・10・20民集60-8-3098)

➡所有権者は依然としてA →Bは無権利者からの譲受人

➡原則として所有権を主張しえない(B:94Ⅱ類推適用によって所有権を取得する余地あり)

➡①権利の外観 ②Aの帰責性 ③Cの善意・無過失

4.結論

 

Law Practice 民法I 総則・物権編〔第2版〕

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