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Law Practise 民法Ⅰ No.50:抵当権に基づく明渡請求

第1.小問(1)-Cが不法占拠者の場合

1.A→Cの請求

(1)A→C:抵当権に基づく妨害排除請求としての建物明渡請求

ア.Cの反論:抵当権は非占有担保 →抵当不動産の占有関係に干渉できない

(ア)抵当権は目的物の交換価値を支配する権利

➡目的物の交換価値が減少しているといえる場合には、不法占有自体を抵当権侵害と評価しうる

➡競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、①抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ、②抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権侵害となりうる(最大判平11・11・24民集53-8-1899)

(イ)①Cの占有により買受人現れず + ②競売の見込み立たず

(ウ)抵当権侵害あり

イ.Cの反論:抵当権は非占有担保物権 →抵当権者は直接自己への抵当不動産の明渡請求不可

(ア)抵当不動産の所有者において抵当不動産を適切に維持管理することが期待できない場合には例外的に直接自己への抵当不動産の明渡しを請求可

(イ)Bにおいて建物を適切に維持管理することが期待できない

ウ.A→Cの明渡請求可

(2)A→C:BのCに対する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使(423)に基づく建物明渡請求

ア.抵当不動産の所有者は抵当権に対する侵害が生じないよう抵当不動産を適切に維持管理することが予定

➡抵当権侵害がある場合には抵当権者は抵当不動産の所有者に対しそのような状態を是正し、抵当不動産を適切に維持または保存するよう求める請求権(担保価値維持請求権)を有する

➡抵当権者は担保価値維持請求権を保全する必要があるときは423条の法意に従い所有者の不法占有者に 対する妨害排除請求権を代位行使することができる

イ.この場合、抵当不動産の所有者が明渡請求に協力しないと代位行使の目的を達成することができない

➡抵当権者は抵当不動産の所有者のために管理することを目的として、不法占有者に対し不動産を直接自己に引渡すように請求しうる

ウ.請求可

2.A→Bの請求

(1)A→B:不法行為に基づく損害賠償請求(709)

➡要件:①故意・過失 ②他人の権利の侵害 ③損害の発生 ④②③の因果関係

(2)Bの反論:売却額未定 →損害の発生なし

ア.不法行為の成立 =損害の発生必要

(ア)損害の発生:不法に抵当権の実行が阻害されたために被担保債権の完済を得る見込みがなくなった抵当権者は、抵当権実行前であっても、不法行為者に対して損害の賠償を請求することができる(大判昭11・4・13民集15-630)

(イ)基準時:抵当権侵害による損害賠償請求が行われた場合の損害額は、抵当権実行の時または抵当権実行前であれば損害賠償請求の時を基準に定められるべきである。(大判昭7・5・27民集11-1289)

(3)あてはめ →結論

 

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