Law Practise 民法Ⅰ No.44:所有権留保と動産先取特権
第1.設問(1)
1.C→D:動産乙の返還請求(a)
(1)C→D:所有権に基づく返還請求 ∵所有権留保
➡所有権留保の法的構成:所有権は売主に属し、買主は利用権と代金完済という停止条件の成就によって所有権を取得する期待権を有するにすぎない(所有権的構成・最判昭50・2・28民集29-2-193)
(2)Dの反論:即時取得(192) Kg:①売買契約(取引行為)②引渡し
(3)即時取得が成立する場合:C→Dの請求不可
(4)即時取得が不成立の場合:C→Dの請求可…ただし、信義則(1Ⅲ)違反の可能性(上記判例)
2.C→Bの管財人:動産丙の返還請求(b)
➡取戻権(破産61)に基づく返還請求 ∵所有権留保(所有権的構成)
3.C→D:代金支払請求(c)―物上代位の可否
➡所有権的構成:物上代位不可
第2.設問(2)
1.D→Cの請求(a)
(1)D→C:競売の申立て(民執190)or 配当要求(民執133)
(2)Cの反論:第三者への引渡し(333)
(3)請求不可
2.C→Bの管財人:動産丙の返還請求(b) ⇒別除権(破産2Ⅸ・Ⅹ、65Ⅰ)
3.C→D:代金支払請求(c)-物上代位の可否
(1)C→D:物上代位に基づく支払請求
(2)Dの反論:第三者への引渡し →追及効否定
(3)抵当権とは異なり公示方法が存在しない動産売買の先取特権については、物上代位の目的債権の譲受人等の第三者の利益を保護する趣旨を含むから、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない(最判平17・2・22民集59-2-314)
➡D取得 + 対抗要件具備
(4)請求不可