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Law Practise 民法Ⅰ No.43:留置権の成立および効力

1.D→C:所有権に基づく土地明渡請求

➡D:留置権(298)に基づく拒絶(Kg:①被担保債権の発生原因 ②占有 ③権利主張)

2.請負代金債権を被担保債権とする拒絶

(1)Cの反論:被担保債権=建物について生じた債権 →土地について生じた債権でない(土地の留置不可)

(2)問題:請負代金債権で土地を留置することの可否

ア.「その物に関して生じた債権」(被担保債権・298Ⅰ)=債権と物との牽連性

①債権が物自体から生じた場合

②物の返還請求権と同一の法律関係・生活関係から生じた場合

イ.①②のいずれにも当たらない

【肯定説】➡しかし、建物留置権が無駄になる

➡建物請負代金請求権の行使の結果として代金債権に基づき建物を留置する者は、建物留置の反射的効果として敷地をも占有することができる(cf.建物買取請求権行使の場合・大判昭14・8・24民集18-877)

【否定説】➡借家人が建物につき留置権を有する場合でも、建物所有者ではない土地所有者からの土地明渡請求に対して当然にその土地をも留置しうる権利を有するものではない(大判昭9・6・30民集13-1247)

ウ.留置権行使可 or 不可

(3)D:明渡拒絶可 or 不可

3.費用償還請求権を被担保債権とする拒絶

(1)被担保債権:土地の補修費用 =「必要費」(299Ⅰ) →債権が物自体から生じた場合

➡「その物に関して生じた債権」(298Ⅰ)=債権と物との牽連性あり

(2)Dの反論:「占有が不法行為によって始まった場合」(295Ⅱ)

(3)「占有が不法行為によって始まった場合」⇒「不法行為」(709)不成立

➡しかし、無権限であることに過失ある場合には295Ⅱの類推適用(旧自作農創設特別措置法により農地の売渡処分を受けた者からその農地を譲り受けた者が、当該農地買収・売渡処分の無効を争う訴訟を提起された後に、農地に有益費を支出したとしても、右訴訟に敗訴し、かつ右処分が無効に帰するかもしれないことを疑わなかったことにつき過失あるときは、本条の類推適用により留置権を主張することは許されない(最判昭51・6・17民集30-6-616))

(4)留置権の成立否定

 

Law Practice 民法I 総則・物権編〔第2版〕

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