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Law Practise 民事訴訟法 基本問題19:間接事実の自白

Law Practise 民事訴訟法

1. Xは、XA間の売買の事実に関する自白(以下、本件自白)をしているところ、これが裁判上の自白(179条)に該当すれば、①裁判所は自白をそのまま判決の基礎としなければならず(弁論主義の第2テーゼ・裁判所拘束力)、②自白者は原則として自白と矛盾する内容の陳述をすることが許されなくなる(当事者拘束力)ことから、控訴審裁判所が売渡担保の事実を認定し、Xの請求を認容するためには、Xが上記自白を撤回することが必要である。

2. そこで、Xの自白が裁判上の自白(179条)にあたるかが問題となる。

(1) 自白とは相手方の主張する自己に不利益な事実を認める陳述であり、これが口頭弁論や弁論準備手続でなされる場合が裁判上の自白である。

(2) ここで、「事実」の内容が問題となるところ、当事者の意思の尊重および不意打ち防止の見地から訴訟の勝敗に直結する事実たる主要事実を弁論主義の対象とすれば十分である 。

(3) 本件におけるYの抗弁における主要事実は、XがAにYに対する貸金債権を讓渡したという事実であり、XA間の売買の事実は上記主要事実を推認させる間接事実にすぎない。

(4) したがって、本件自白は間接事実の自白にすぎず、裁判上の自白は成立せず、裁判所拘束力や当事者拘束力は生じない。

3. よって、Xは本件自白を撤回し、裁判所は売渡担保の認定することで、Xの請求を認容しうる。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第2版〕

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