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Law Practise 民事訴訟法 基本問題6:代表権と表見代理

1. Y社は、Xに対し、第一審判決の取消し(却下判決)を求め控訴を提起している(306条参照)。

2. これに対し、Yはその理由として、訴状にY代表取締役として記載されているAは代表取締役でないことを挙げている。そこで、その当否が問題となる。

(1) 民訴法は「当事者及び法定代理人」を訴状の法定的記載事項とする(133条2項)。そして、法定代理・法定代理人に関する規定は、法人の代表者に準用(37条)されることから、代表取締役でないAを代表取締役として記載した場合には、「法令違反」として、原判決は取消されることになる(306条)

(2) もっとも、Xとしては、原判決取消しを回避するため、表見代表取締役の規定(会社法354条)の類推適用を主張することが考えられる。そこで、表見法理の類推適用の可否が問題となる。

会社法354条は、取引の安全を図るために設けられた規定であり、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたっては、適用されない。

したがって、表見法理の類推適用は否定される。

(3) よって、Yの主張は妥当である。

3. 以上から、第一審判決の取消し、却下判決をすべきである。