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Law Practise 民事訴訟法 基本問題5:当事者能力

1. XのY社に対する訴えは認容されるか。

2. これに対し、Y社からはXは権利能力なき社団であり、当事者能力がないことが反論として主張されることになる。

(1) 当事者能力は訴訟要件であり、当事者能力の欠缺場合、訴えは不適法となり、裁判所は却下判決を下すことになる。

(2) そこで、権利能力なき社団であるXが「法人でない社団」(29条)に該当し、当事者能力が肯定されないか。そこで、その判断基準が問題となる。

 29条は、現実には法人格のない団体も社会活動を営んでおり、その団体との間に紛争が生じたときは、端的に当該団体を当事者として紛争解決することが実際的であり、手続も簡便で効果的であることをその趣旨とする。

 そして、①団体としての組織を備え、②多数決原理が行われ、③構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し、④その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定している場合には、権利能力なき社団も「法人でない社団」に当たり、当事者能力が認められる。

 預託金会員制のゴルフクラブにおいて、多数決の原則が行われ、構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し、規約により代表の方法、総会の運営等が定められていること、同クラブには、固定資産または基本的財産は存しないが、団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに必要な収入の仕組みが確保され、かつ、規約に基づいて収支を管理する体制も備わっていること、同クラブが、ゴルフ場経営会社との間でゴルフ場の経営等に関する協約書を調印し、同会社や会員個人とは別個の独立した存在としての社会的実体を有していることなど判示の事情の下においては、上記クラブは、本条にいう「法人でない社団」に当たる。

(3) したがって、Xの当事者能力は肯定される。

3. よって、Xの請求は認容される。